2008年4月19日の土曜日にサンフランシスコのレコードショップ、「ラスプーチンミュージック」から始まったRecord store dayは、メタリカがオフィシャルキックオフイベントでインストア・ライブをおこない、そのニュースは全米から全英へと拡がった。

これに呼応したポール・マッカートニー、ブルース・スプリングスティーン、ノラ・ジョーンズ、ピーター・ガブリエルらの有名ミュージシャン達が、続々と支援メッセージを送って参加を表明。

こうして西海岸のミュージックショップのオーナーが発案した企画に、インディーショップのオーナーたちが同調して、毎年4月の第3土曜日がRecord store dayと決まった。

毎年、指名されるアンバサダーはメタリカ、オジーオズボーン、イギーポップ、チャック・ディーなどが歴任し、2015年はフー・ファイターズのデイヴ・グロールが就任した。

http://recordstoreday.com/NewsItem/4894

始まりは「街の小さなミュージックショップに行こう」がテーマだったが、欧米では年々、CDが求められなくなっているので、アナログレコードの復活ブームの波を受けて、近年はアナログレコードの限定盤が発売される日としても定着してきた。

メタリカは今年の4月18日に開催されるレコード・ストア・デイにあわせて、バンドの最初のレコード契約につながった1982年のデモ・テープ、『No Life ’til Leather』の完全復刻版をカセット・テープ(!!)としてリリースする。

Record-Store-Day-2014-Sonic-Boom

日本は5年前から参加しているが、海外アイテムの輸入が少ないために、昨年からは独自にアンバサダーを立てている。
初年度はアジアン・カンフー・ジェネレーションの後藤正文(ゴッチ)が就任、イベントの認知拡大やアナログレコードの楽しみを啓蒙する活動を行った。

木村カエラ、きゃりーぱみゅぱみゅ、サンボマスター、くるり、後藤正文の初ソロアルバムなどの作品がアナログでリリースされたことによって、昨年からレコード盤への関心も高まっている。

今年は後藤の指名を受けてTHE BAWDIESのボーカル&ベース、ROYがアンバサダーに就いた。

http://www.recordstoreday.jp/

海外における今年のリリースアイテムはボブ・ディラン、U2、ポールマッカートニー、デビッド・ボウイ、ブライアン・イーノ、フー・ファイターズなどを筆頭に、数百ものアイテムが用意されている。

これは一昨年のニューヨークの模様を伝えるニュース。


日本国内では、THE BAWDIESの7インチ盤、セイゲン・オノによるダイレクトカッティング180グラム重量盤12インチ3枚組という坂本龍一Xフルオーケストラや、テイ・トウワ ウィズ 椎名林檎の7インチ盤、キノコホテル、Plenty、Scoobie Dooなどがリリースされる。

またブレッド&バター『ピンクシャドウ/DEVIL WOMAN』、大貫妙子『サマーコネクション/部屋』、稲垣次郎とソウル・メディア『FUNKY STUFF』、石川 晶『BACK TO RHYTHM』といった歴史的名盤の復刻も予定されている。

http://www.recordstoreday.jp/release/index.html

現在、全国の各ショップで様々なイベントが企画されている。未確定なものも多いので来週の月曜日にまとめて続報としたい。

(ミュージックソムリエ協会・鈴木健士)