ミュージックソムリエ協会blog

シチュエーション別の音楽や、ミュージックソムリエ協会の日々の活動状況などをお伝えします!

2017年02月

「本物の音楽」が持つ“繋がり”や“物語”を毎日コラム配信サイト“TAP the POP“にて月曜日(不定期)、ミュージック・ソムリエによるコラムをお送りしています。ぜひご覧ください!

■ヴォーカリストとしての魅力が花開いたジョージ・ベンソンの「マスカレード」
http://www.tapthepop.net/sommelier/58558

選曲のエキスパートミュージックソムリエがあなたに贈る、日常のワンシーンでふと聴きたくなるあんな曲やこんな曲――今回は、今春来日アーティストの厳選楽曲を、ライブ情報とともにお届けします。

 

[はじめに]

毎月、多くの海外アーティストが来日してライブを行っていますが、20174月はラインナップが凄い!毎週グラミー賞級もしくはレジェンド級のアーティストが、ライブを繰り広げます。

こんなに一気に来られても、お金が追いつかないわ…と泣き言を言いたくなる今日この頃。ちなみに私は、ポール・マッカートニーのチケットを取るだけで精一杯でした。

話を本題に戻しまして、4月来日アーティスト、中にはまだチケットが手に入るライブもありますので、ぜひチェックしてみて下さいませ!

  

I Wanna Be Adored」/The Stone Roses

●後のブリットポップに影響を与えたマンチェスター発のバンドと言えば!

1983年結成。1996年に解散し、2011年に再結成したザ・ストーン・ローゼス。この曲が収録されている『THE STONE ROSES』は、1989年に発売された作品です。1曲目を飾るのが、「I Wanna Be Adored」。イントロだけでおよそ150秒。何かに追われて心臓がバクバクしているような音に、ベースが乗り、そしてギターとドラムが合わさり……という感じで、じわじわと引き込まれる感じが、とても好きです。

ちなみに、421日(金)の日本武道館はソールドアウト。22日(土)の同会場での追加公演が発売中です。


  

A Sky Full Of Stars」/ColdPlay

UKが誇る21世紀を代表するスーパーバンドを東京ドームで!

1997年にロンドンで結成された、コールド・プレイ。デビューアルバムから爆発的なヒットを飛ばし、世界的な人気を誇るスーパーバンドです。419日(水)の東京ドーム公演は、即売り切れでした。しかも当日のゲストアクトは、RADWIMPSだそうです。

A Sky Full Of Stars」は、2014年のアルバム「Ghost Stories」に収録。EDMとロックが混ざる音が非常に気持ち良い一曲ですが、歌詞もまたロマンチック。“君は僕にとって満天の星だから、君に僕の心を捧げるよ”なんて、今ココで書いているだけで顔がニヤついてしまう……。

あぁ、この曲がかかった瞬間、東京ドームが沸き上がる光景が目に浮かびます。音漏れだけでも味わいに、東京ドームの前に行こうかしら。


  

Carry On」/Norah Jones

●深く優しく響く歌声に心癒される。日本武道館で聴くジャズの一夜を堪能したい

どの曲でも、一音目を耳にするだけで、まるでNYのジャズクラブに足を踏み入れたような、上質な時間が味わえるのがノラ・ジョーンズの魅力のひとつだと思うのです。

ピアノとオルガンをベースに、ゆったりとしたテンポで歌われる「Carry On」は、優しく“前へ進みましょう”と聴く人に語りかけてくれます。ちょっと苦い思い出も、やさしく洗い流して、前に進む力を与えてくれる、癒しと活力をくれる歌です。この曲のYoutubeにアップされている日本語訳は、作家の川上未映子さん担当。歌詞も味わいながら楽しめます。

ノラ・ジョーンズは、413日(木)14日(金)、追加公演の15日(土)の日本武道館のほか全国6都市でライブを行います。


  

Put Your Records On」/Corinne Bailey Rae

●穏やかで気持ちの良い時間を満喫するなら、このライブ!

温かみのある歌声が魅力のコリーヌ•ベイリー•レイ。イギリスのシンガーソングライターです。2006年に発表された「Put Your Records On」は、アコースティックギターに合わせて、いまの自分を悲観しないで進んでいこうと言ったメッセージを歌っています。側で励ましてくれる親友のような優しい前向きソングです。

ライブは、410日(月)は大阪 IMPホール、411日(火)は東京 赤坂BLITZで開催です。


  

Real Love」/MARY J.BLIGE

●今に繋がるR&Bの源流を体感できる!レジェンドのライブ

クイーン・オブ・ヒップホップ・ソウルと賞賛されるメアリー・J・ブライジ。6度のグラミー賞受賞など輝かしい実績を持ちながら今も現役で作品をリリースするレジェンド級のアーティストで、後のR&Bシンガーに多大なる影響を与えています。この曲は1992年にリリースされたセカンドシングル。90年代のR&Bの雰囲気が良く分かる曲ですし、まさにこれで、トレンドの方向性が決定づけられていることを痛感する一曲です。

ライブは、417日(月)大阪 なんばHatch419日(水)20日(木)東京 STUDIO COAST開催します。


  

[さいごに]

以上5組ご紹介しましたが、他にも4月に来日するアーティストは、超豪華。

サンタナ、エアロスミスのスティーブン・タイラー、ドゥービー・ブラザーズ、そしてミュージカルスターで、米版「アナと雪の女王」のエルサ役でも有名なイディナ・メンゼルなど……こんな一気に来られても、行けないってば!!

 (選曲・文/石井由紀子)

 

【ページ末クレジット】

編集:吉川さやか

参考:ミュージックソムリエ養成講座

2017年4月22日(土)開催のRECORD STORE DAY 2017。レコードストアデイ日本事務局が、アンバサダーに就任されたスチャダラパーの皆様から寄せられたコメント動画を公開しました。ぜひご覧ください。

■レコード・ストア・デイ2017 スチャダラパーコメント動画
https://youtu.be/m11uHnj2g7Q

■RECORD STORE DAY JAPAN official HP
http://www.recordstoreday.jp/

選曲のエキスパートミュージックソムリエがあなたに贈る、日常のワンシーンでふと聴きたくなるあんな曲やこんな曲――

4月に2年ぶりの来日公演を行うポール・マッカートニー。昨年始まった今回のワールド・ツアーは、ワン・オン・ワン(11と名付けられています。ポールが“11”で向き合った相手と言えば、まず思い浮かぶのはジョン・レノンですね。そこで、最新のセットリストを参考に、今回演奏が期待される代表曲5曲でポールとジョンの物語を辿ってみたいと思います。

文末に“ワン・オン・ワン・ツアー”の最新(2016105日)のセットリスト


ポール・マッカートニー ワン・オン・ワン・ジャパン・ツアー2017』公式ホームページ

http://oneonone-japantour.jp/

  

1.A Hard Day’s Night」 /The Beatles 

●232秒に込められた、濃密な二人の時間

この曲が発表された1964年、ビートルズは2枚のアルバム、3枚のシングル、ワールド・ツアー、そして映画主演(こんなに働くバンドが今ありますか!?)と、想像を絶するスピードで駆け抜けました。しかも、同名映画の冒頭シーンのように、四六時中熱烈なファンの群れに追い回される日々。「もうくたくたで、やってられないぜ」とジョンが乾いた声で歌えば、追いかけるように、ポールが熱っぽく「家に帰れば、君が僕を強く抱きしめてくれるから大丈夫だ」と返します。そしてそれが終わらないうちに、ジョンが又「もう……」と冷水を浴びせます

。狂ったような騒ぎの渦中で、時には顔を突き合わせて二人で、時には相手に負けまいと一人で曲作りに没頭した、まだ23才のジョンと21才のポール。同志でありライバルである二人だけが共有した濃密な時間。疾走感溢れるサウンドに乗ったボーカルの応酬が、限界を取っ払って見たことのない世界に連れて行ってくれます。

 

[来日公演の聴きどころ]

ポールが、ジョンのパートも一人で歌います。印象的なイントロの「ジャーン!」一発で、オープニングから会場総立ちになる様子が今から目に浮かぶようです。ポール版は、今回が日本初披露になります。


※同名映画公式。フル曲でなく編集版です

ハード・デイズ・ナイト
ザ・ビートルズ
ユニバーサルミュージック
2013-11-06

 

2.Here Today」 /Paul McCartney  

本当のことは、僕と彼にしか分からない

この曲は、ジョンが狂信的なファンに射殺された時に制作中だったアルバム『Tug Of War(1982年作)に収められました。彼は死後に神格化されて、遠い存在になってしまったようでした。「本当のことは僕と彼にしか分からない。この曲は、そんな自分とジョンとの関係についてのラブソングなんだ。」とポールは言います。「もし今ここに君がいたら、おまえとは住む世界が違うというかもしれない。でも、それは本気じゃない。初めて出会った時のこと。二人で泣いた時のこと。君はいつも微笑んで傍にいてくれた。僕は君のことがよくわかっているんだ、本当は僕のことを好きだって。そして、僕も本当に君が好きなんだ。君と出会えてうれしかったんだよ」。

もし、ジョンが生きていてこの歌を聴いたら、何と言ったでしょう?

 

[来日公演の聴きどころ]

ポールは、毎回弾き語りを始める前に「これはジョンと交わせなかった会話についての歌です。(日本公演では、日本語で「ツギノウタワ、ジョンノタメデス。」)」と紹介します。そして歌い終わると、ジョンに見せるかのようにギターを高々と掲げます。その時の彼の気持ちを思うと、胸が熱くなります。


(非公式)

タッグ・オブ・ウォー(デラックス・エディション)
ポール・マッカートニー
Universal Music =music=
2015-10-02

 

3.The Fool On The Hill」 /The Beatles 

「丘の上の愚か者」と「一人ぼっちのあいつ」

ポールが書いたこの曲と、ジョンが書いた『 Nowhere Man』。どちらの主人公も、何を考えているのか分からないはぐれ者で、相手にする人がいません。曲の終盤、ジョンが「でも、彼ってちょっと僕らに似ているよね。」と誰もが抱える疎外感に共感するのと対照的に、ポールは「分かってないのは、周りの奴らなんだ。」と切り捨てます。ジョンが褒めた歌詞と、牧歌的なサウンドのコントラストが素晴らしい曲です。『Magical Mystery Tour(1967年作)収録。

 

[来日公演の聴きどころ]

最近作のアルバム『New』からのモダンな曲(「Queenie Eye」「New」)が続いた後、リリカルでノスタルジックなこの曲で会場の空気が変わることでしょう。


(公式)※フル曲ではなし


(非公式) ※本文にある『Nowhere Man

マジカル・ミステリー・ツアー
ザ・ビートルズ
EMIミュージックジャパン
2009-09-09

 

4.Band On The Run」 /Paul McCartney And Wings 

ピンチの時こそ、マジックが生まれる。ポールの真骨頂

作風が異なる3曲を、違和感なく1本にまとめあげる構想力と、ドライブ感。先が読めないシュールな展開なのに仕上がりはポップで開放的という、ポールにしか出来ない限界知らずの音楽のマジックがここにあります。1973年の発表以来、いまだにビートルズ解散後の最高傑作といわれるこの曲と同名のアルバムは、新バンド(ウィングス)が存続の危機に陥った時に生まれました。ビートルズの解散以来別れた夫婦のように関係がこじれていたジョンも、このアルバムを絶賛しました。そして、翌年ポールがジョンを訪ねて二人は仲直りします。

 

[来日公演の聴きどころ]

惜しげも無く連発されるビートルズ有名曲(「Ob-La-Di, Ob-La-Da」「Back In The U.S.S.R.」等)に挟まれて披露されても強い存在感を示す、ポールのコンサートの定番です。


BAND ON THE RUN
PAUL & WINGS MCCARTNEY
CONCO
2015-02-13

※輸入盤

  

5.Golden SlumbersCarry That WeightThe End」 /The Beatles 

ビートルズのラスト・メッセージ

オノ・ヨーコとの活動に関心が移っていたジョンを始め、もはやグループとしての結束が保てなくなったビートルズ。ポールは、有終の美を飾るべく、自らイニシアティブをとってアルバム『Abbey Road(1969年作)の制作を進めました。(『Let It Be』が後で出たため、そうなりませんでしたが)同アルバムのB面最後を飾るこのメドレーで、ポールは他の三人とファンに語りかけるかのように「もう後戻りはできない。ここから先はずっと、自分で重荷を背負って行くんだ。」と歌います。それから、四人が順にソロを取って、こう締めくくります。「最後にあなたが手に入れる愛は、与えた愛に等しくなる」。

愛を歌って若者の意識を変革し、世界をリードし続けたビートルズのクロージングにふさわしい、ラスト・メッセージ。それは、ジョンがアルバムA面最後の曲をホワイトノイズで唐突に終わらせたのと、あまりにも対照的でした。

※参考資料:「ザ・ビートルズ・サウンド最後の真実」/ジェフ・エメリック他著

 

[来日公演の聴きどころ]

3時間余り、30数曲にも及ぶビートルズ、ポール・マッカートニーのコンサート、イコール“音楽の冒険”を締めくくるのに、このメドレー以上のものはないでしょう。音楽を好きになってよかった、大げさでなく、生きていてよかった、と感涙必至です。

アビイ・ロード
ザ・ビートルズ
ユニバーサルミュージック
2013-11-06


【最新の“ワン・オン・ワン・ツアー”のセットリスト~2016105日カリフォルニア、サクラメント、ゴールデン1センター】

☆印は今回ご紹介の曲です。 

1.A Hard Day’s Night

2. Save Us

3.Can't Buy Me Love

4.Juniors Farm

5.Temporary Secretary

6.Let Me Roll It

7.I've Got A Feeling

8.My Valentine

9.Nineteen Hundred And Eighty Five

10.Here, There And Everywhere

11.Maybe I’m Amazed

12.We Can Work It Out

13.In Spite Of All The Danger

14.You Won't See Me

15.Love Me Do

16.And I Love Her

17.Blackbird

18.Here Today

19.Queenie Eye

20.New

21.Fool On The Hill

22.Lady Madonna

23.Four Five Seconds

24.Eleanor Rigby

25.Being For The Benefit Of Mr. Kite!

26.Something

27.Ob-La-Di, Ob-La-Da

28.Band On The Run

29.Back In The U.S.S.R.

30.Let It Be

31.Live And Let Die

32.Hey Jude

(アンコール)

1.Yesterday

2.Hi, Hi, Hi

3.I Saw Her Standing There

4.Golden SlumbersCarry That WeightThe End

 

ポール・マッカートニー公式ホームページより転載

 

 

[おわりに]  

今年は、史上最高のロック・アルバムとも評される『Sgt.Pepper's Lonely Hearts Club Band』等の発表から50年にあたり、また3月には名盤『Flowers In The Dirt』(1989年作)がリイシューされます。日本公演では、これらの中からサプライズ披露や、前回の来日同様、新曲披露もあるかもしれません。

ポールは、大会場でもステージから客席の個人が見えると言います。例えば、ある曲の演奏中、ライターを灯し続けた女性。次の曲が始まると、火傷した彼女の指をキスで冷ましていた隣席の男性。そういう場面が、自分の曲の知らなかった側面を分からせてくれる、そこにツアーの醍醐味がある、と。観客とポールが紡ぎ出す新しい物語。“ワン・オン・ワン(11)”の真意はそこにあります。

(選曲・文/藤原学)

  

ポール・マッカートニー ワン・オン・ワン・ジャパン・ツアー2017

公式ホームページ http://oneonone-japantour.jp/

 

編集:吉川さやか

参考:ミュージックソムリエ養成講座

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