ミュージックソムリエ協会blog

シチュエーション別の音楽や、ミュージックソムリエ協会の日々の活動状況などをお伝えします!

2016年11月

選曲のエキスパートミュージックソムリエがあなたに贈る、日常のワンシーンでふと聴きたくなるあんな曲やこんな曲――今回は11/23新嘗祭にちなんで「ほかほかごはんのCMに似合う曲」をご案内します。

 

home」/ 木山裕策

●茜色に染まる夕日とご飯が炊けた匂いが心に沁みる

歌い出しを聴いただけで、子供の頃に夕焼けの公園から、父と一緒に家路についた景色が目に浮かびあがります。手をつないで家に帰る途中では、晩御飯の支度をしている匂いが家々から漂ってきて、帰宅した自分の家からも同じ匂いがすると、幸せな気持ちに――まるでCMのように良く出来たお話ですが、この曲を聴くと、ほかほかご飯と親からの愛情をふと思い出してしまうのです。

(選曲・文/石井由紀子)


 

「日本の米は世界一」/打首獄門同好会

●脱炭水化物ダイエットとか知らねぇ!主食の米食え!

聴くと、米が食べたくなる!!そうそう、丼も定食も米がないと始まらないのよね。しかも、日本の米は世界一美味いから、丼も定食も美味いだよな、と思いつつも、激しいリズムに体が動く、極上お米ナンバー。打首獄門同好会は、ギター、ベース、ドラムの3ピースバンド。ハードな音楽ですが、ベースとドラムのリズム隊は女子が担当しています。バンド名は恐ろしい感じですが、サウンドと歌詞は面白さ満点で、一度聴いたら病み付きです。

(選曲・文/石井由紀子)

 

●これぞRICE×ROCKの決定盤

今回のテーマ、ほかほかごはんのCMに似合う曲、どう考えてもこれ以外ないでしょう。食をこよなく愛するロックバンド・打首獄門同好会の「日本の米は世界一」。冒頭から牛丼・カツ丼と丼物のオンパレードな歌詞は、PVにすると完全に食をそそられる映像そのもの。これを見たらお米を食べたくなるに決まっているじゃないですか。TPPがなんだ、パンがなんだ!日本人ならお米じゃないか!というわけで彼らには是非、ごはんのCMだけでなくJAとも協賛してテーマソングを作って欲しいところであります。

(選曲・文:Kersee

 

 

歌劇『ジャンニ・スキッキ』より「私の愛しいお父さま」/幸田浩子

●秋が深まり、ほかほかごはんに愛しさ募る一曲

プッチーニ作曲のオペラアリアです。娘のラウレッタが父に、恋人との結婚を許してほしいとお願いする内容です。初々しい娘の凛とした声は、炊きたてご飯のツヤツヤにぴったり。音の上昇とともに深い愛情の広がりを表現するところは、お釜の湯気がふんわりする様子を想像させます。

幸田さんの張りのある丁寧な歌唱表現は、対象への敬意が感じられて、日本の伝統食にもマッチしています。この曲を聴きながら炊きたてごはんをほおばって、幸せをかみしめたいですね。

(選曲・文/山本陽子)


SUNNY DAY SONG」/μ’s

●限定米にもなったお米大好きキャラNo.1!

お米をこよなく愛する人といえば、今や世間では小泉花陽(こいずみ・はなよ)ちゃんが筆頭です。漫画、アニメ、ゲーム、映画化と、破竹の勢いを見せる人気コンテンツ『ラブライブ!』の登場人物で、公式プロフィールにもずばり「好きな食べ物:白いご飯」。ただでさえかわいい彼女が、一心不乱にご飯を食べるシーンは魅力が何倍増しにもなります。人気が高じて、昨年は彼女の限定イラストパッケージのお米まで実際に発売されました。

というわけで、楽曲は映画版からμ’s(ミューズ)で「SUNNY DAY SONG」。イメージはまさに太陽に照らされる実り、花陽ちゃんと「I LOVE GOHAN!」な人にぴったりな歌なのです♪

(選曲・文:Kersee

 

「狩りから稲作へ」/レキシ

●日本の稲作は弥生時代から始まりました。

“縄文土器 弥生土器 どっちが好き?”のフレーズで、レキシのライブではお馴染み過ぎるくらいにお馴染みの曲。CDでは6分ほどですが、ライブだと確実に10分以上の長尺になります。各ロックフェスにも頻繁に出ている彼ですが、持ち時間によってはこれ1曲で終わってしまうこともあるとかないとか。最近では公式グッズで”INAHO”という名の稲穂まで発売されるようになりました。この曲でオーディエンスが稲穂を振る光景は、いよいよ日本の原風景に近づいていると言っても……過言かもしれません(笑)

もっとも、ごはんのCMには土器の部分より“稲作中心”の歌詞がある、200330の部分を使うのがオススメです。

(選曲・文:Kersee

 

 

ake-kaze」/ 林 明日香

●アジアの原風景はコメ文化

朝の光が部屋に差し込み、まだ夢うつつの布団の中へ、ふとご飯を炊く香りが――「飯炊ぐ 匂ひ 夢の中」と歌う「ake-kaze」は、歌手・林明日香が日本と台湾で同時デビューを果たした2003年のシングル曲です。炊飯器のCMソングに採用され、台湾のほか、シンガポールや中国でもヒット、第18回日本ゴールドディスク大賞のニュー・アーティスト・オブ・ザ・イヤーを受賞しました。

当協会創設者でもある作詞担当・鈴木健士は「朝ご飯を作る音や匂いで目を覚ます幸せ、多くの人が共感出来るであろう普遍的な朝の情景」を意識して作ったと取材に応えています。

大切な人と囲む朝ご飯、大事にしたいですね。

(選曲・文:麻布さやか)

 

 


さて、お気に召した選曲はございましたか。

ぜひこれを機にCDやレコードなどの音源でも、楽曲をお楽しみいただければ幸いです。

 

それでは、また次号で♪

 

 

編集:吉川さやか

参考:ミュージックソムリエ養成講座

 

「本物の音楽」が持つ“繋がり”や“物語”を毎日コラム配信サイト“TAP the POP“にて月曜日(不定期)、ミュージック・ソムリエによるコラムをお送りしています。ぜひご覧ください!

一度は聴いておきたい魅惑のソウル・ヴォーカル① テリー・キャリアー(後編)~イギリスのレア・グルーヴのムーヴメントに発掘されて甦った魅惑のヴォーカル
http://www.tapthepop.net/sommelier/54069

選曲のエキスパート“ミュージックソムリエ”があなたに贈る、日常のワンシーンでふと聴きたくなる

あんな曲やこんな曲――今回は年末年始の催事も多いクラシックの世界から、厳選した曲をご紹介します。

  

「東京オリンピック・マーチ」 / 古関裕而

●「平和の祭典」の原点を感じる行進(マーチ)

2020年の東京オリンピック・パラリンピックの会場建設の報道に話題が登る中、平和の祭典であるオリンピックの概念が、少し遠いところにあるように思えてなりません。1964年に開催された東京オリンピックは、戦後の日本復興の象徴と捉えられることが多いのも事実ですが、日本及びアジアで最初のオリンピックでもありました。昭和天皇は、最初のギリシアから最後の日本選手団まで、各国の選手団が入場行進をする間、終始起立してこれに応え、来賓の各国首脳大使も、日本選手団の行進に全員起立して拍手で迎えたとのエピソードをご存知でしょうか。

作曲した古関裕而の平和を願う気持ちが、この「東京オリンピック・マーチ」のやさしさあふれる旋律に表れているように思えてなりません。

(選曲・文/堀川将史)


  

「アヴェ・ヴェルム・コルプス」 /  W.A.モーツァルト

●あの人に贈る「ありがとう」の感謝の気持ち

病床中のモーツァルトの最愛の妻、コンスタンツァを看病してくれた友人に、モーツァルトが感謝の気持ちを込めて贈った小品。簡素ながらも、愛らしく、幸せと感謝の気持ちが満ちた作品です。ご紹介する動画でも感じられるのは、イタリアのパティオ(広場)に、フラッシュモブの合唱にて集いはじめ、みんなで歌い終えた時の穏やかで幸せを思わせる表情です。

今年も終わりを告げようとするこの時節、お世話になった友人、仲間、同僚、そして家族に、「ありがとう」という感謝の気持ちを贈ってみませんか。

(選曲・文/堀川将史)


  

「主よ、人の望みの喜びを」/Kaori Muraji

今年はバッハでゆく年くる年!

年末に聴きたいクラシック曲。なだらかな起伏のメロディが、今年あった出来事を振り返るにはピッタリ。あんないいこともあったし、辛いこともあったなぁなんて、1年の出来事が、3連符の心地良いメロディを聴きながら蘇ってきます。

もとは、J.S.バッハが、教会の讃美歌として作曲しましたが、今は、ピアノ、チェンバロ、ギター、弦楽四重奏、オーケストラなど、様々な楽器に編曲されていますので、ご自身の好きな音色で今年を振り返ってみてはいかがでしょう。遅めのテンポの演奏が、今年を振り返るには最適です。

(選曲・文/藤井憲治)
参考CD 

Kaori Muraji Plays Bach



村治佳織 
Plays Bach [CD]
UNIVERSAL CLASSICS(P)(M)
2008-10-29

 


歌劇「椿姫」から「乾杯の歌」 / パヴァロッティ・フォーエヴァー

ヴェルディで新年にかんぱーい!良き年を願って!

年始に聴きたいクラシック曲。年が明けたら、乾杯の歌で盛り上がっていきましょう。ジュゼッペ・ヴェルディ作曲の歌劇「椿姫」の中で、華やかなパーティーの席で歌われる曲です。

「友よ、飲み明かそう。こころゆくまで。命は短く、やがて消えていく。だから今日も楽しくすごしましょう。はかなく去っていくのが、恋の喜びです。」軽快で、とにかく楽しい曲なので、お酒の飲める方はもちろん、お酒の飲めない方も、ジュースで乾杯!1年の始まりを楽しく飲んで、良き1年にしていくには、最高の曲です。

(選曲・文/藤井憲治)

参考CD

パヴァロッティ・フォーエヴァー
パヴァロッティ(ルチアーノ)
ユニバーサル ミュージック クラシック
2007-10-10

  

歌劇『トスカ』より「妙なる調和」/ホセ・カレーラス

必聴!情熱のダンディズム

三大テノールの一人・ホセ・カレーラス氏。1987年に白血病の診断を受けましたが克服、歌手として表舞台に復活し活躍を続けてこられました。今年の12月5日は、彼の70歳の誕生日。これに合わせた来日公演が、名古屋と東京で開催されます。

今回ご紹介する「妙なる調和」は、画家カヴァラドッシが恋人トスカへ、高まる愛の気持ちを歌った曲です。

繊細さや一途さがまっすぐ心に伝わってくる、洗練された伸びやかな歌唱です。リサイタルでもきっと、情熱の名唱の数々を、我々ファンに披露してくださることでしょう。

(選曲・文/山本陽子)

 

歌劇『蝶々夫人』より「ある晴れた日に」/佐藤康子

満を持して登場!期待の若手実力派

今回ご紹介する「蝶々夫人」のタイトルロールは、2008年のスペインデビューを皮切りにイタリアなど海外各地で出演を重ね、高評価を得た佐藤康子さんの当たり役です。2014年に日本でも「蝶々夫人」でデビューを果たし、その後様々な公演を経験、この12月には初のソロ・リサイタルが予定されている、今最も注目されているソプラノ歌手です。

蝶々さんは、長崎の港が見える丘の上の家で、母国に帰ってしまったアメリカ人の夫の帰りを信じて待ち続け、この曲を歌います。壊れそうなほど可憐でありながら自分の意思を貫く芯の強い女性像を、豊かな表現力で浮かび上がらせます。

旬な若手有望株が魅せる、オペラの定番人気作品――これはもう、ぜひホールでお楽しみください。

(選曲・文/山本陽子)

 参考CD

プッチーニ 愛の名曲選「Bravi!」VOL.3
藤原歌劇団
徳間ジャパンコミュニケーションズ
2014-10-29


 


さて、お気に召した選曲はございましたか。

ぜひこれを機にCDやレコードなどの音源もちろん、ぜひホールに足をお運びいただければ幸いです。

 

それでは、また次回♪

 

 

編集:吉川さやか

参考:ミュージックソムリエ養成講座

 

祥伝社発行『からだにいいこと』“知性を磨く本とCD”コーナーにて、「今月のおすすめCD」を毎号ご紹介しています。
1月号(2016年11月15日発売)では、ミュージックソムリエ・石井由紀子さんおすすめのアルバムをピックアップ!

cover201701

からだにいいこと
http://www.karakoto.net/

「本物の音楽」が持つ“繋がり”や“物語”を毎日コラム配信サイト“TAP the POP“にて月曜日(不定期)、ミュージック・ソムリエによるコラムをお送りしています。ぜひご覧ください!

【一度は聴いておきたい魅惑のソウル・ヴォーカル①】
テリー・キャリアー(前編)~ソウルとフォークとジャズの狭間で
http://www.tapthepop.net/sommelier/53231

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